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カナリヤ映画祭の撮影    [製作日誌]

『旅する映写機』の次回作の最後の最後のロケで、福島県本宮市に行ってきました。
第5回になる「カナリヤ映画祭」を撮影するためです。

921  カナリヤ映画祭.jpg

戦後間もない昭和31年に、本宮小学校の母親と教師のグループ「青いえんぴつの会」が発足。
「台所の中から出て、物事を考えよう」というのが合言葉だったそうです。
農家の嫁は自由に外に出かけられない時代に生まれたこの合言葉に大変興味を持ちましたが、この流れは戦前からあったそうで、当時珍しい季節保育園を作るなどの活動があったそうです。

そして、「青いえんぴつの会」から生まれたのが「本宮方式映画教室」運動でした。
当時は太陽族映画や任侠映画が盛んな時で、テレビもほとんどない時代に子供たちに良い映画を見せたいと母親たちは願ったのです。
地元の映画館が協力し、子供たちはぞろぞろと列を作って映画館に出掛け、映画を見るとその感想を絵や文章にしたり、親子で話し合ったりしたそうです。
そして、いよいよ、自分たちの手で映画『こころの山脈』を作るまでに盛り上がったのです。

「青いえんぴつの会」のメンバーだった本田文子さんは90歳を越えられてもお元気!
2015年にインタビュー撮影をさせていただいているのですが、その時、本田さんが声を掛けてくださって、小学生の時に「本宮方式映画教室」を体験した方々もいらしてくださり、お話を伺うことができました。

他の作品に関わっていて足踏み状態になっていて、いよいよ編集を始め、やはり「カナリヤ映画祭」も撮るべきだと判断して、今回、出かけることにしました。

撮影をしているので画像はありませんが、本田さんがお手伝いに来ている高校生と一緒に展示準備を進めている時「千人針」や「虎の絵の描かれた寄せ書き」について説明しているところに出会え撮ることができました。
今回の上映作品の中に『この世界の片隅に』があったので、戦争について考える機会になれば・・・ということで地元の方々からお借りしてきたものだそうです。

当時、小学生だった皆さんも60代になられているので、この映画祭に地元の高校生が継続して関わっていて交流があるのはステキだなぁ~と思いました。
お世話になった「カナリヤ映画祭」の皆さま>ありがとうございました!

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riverwalk

ロケご苦労様でした。
田舎の映画館を思い出します。
小学生の頃によく行った、町内の映画館です。
映写機の回る音が記憶に残っています。
ゴジラ、ガメラ、大魔神の時代です。
小学生だったのでそういう映画でした(^^♪
by riverwalk (2017-09-18 23:21) 

REE

パインが「マテ」を覚えたら、撮影に来てもらえますか 笑
by REE (2017-09-19 02:44) 

森田惠子

riverwalkさん>台風の影響もあまり受けずに帰ることができました。
昔の映画館は映写機の音が漏れて聞こえていましたね。
私が子供時代に映画を見た川口の映画館も随分前に無くなっています。
その跡がどうなっているか、確かめたくて出かけてみたのですが、駅の周りが再開発され、記憶も曖昧で調べられずに帰ってきました。
by 森田惠子 (2017-09-19 09:35) 

森田惠子

REEさん>パインが「マテ!」を覚えた証拠は動画でないとダメですね。
出張撮影のご依頼をお待ちします(笑)
by 森田惠子 (2017-09-19 09:37) 

安田秀一

カナリヤ映画祭の取材おつかれさまでした。最後?の作品の完成楽しみにしてます。
by 安田秀一 (2017-09-19 18:55) 

森田惠子

安田秀一さん>映画三部作の最後の作品になります。
映写技師さんのインタビューを軸に考えていますが、映画が時代ごとにどのように映写され、見られていたのか、記録をしたいと思っています。
by 森田惠子 (2017-09-20 19:20) 

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