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本「死にゆく人のかたわらで」の紹介    [私の本棚]

身近な方の介護をされている方にお薦めしたいと思って、何人かの方にプレゼントさせていただいた『死にゆく人のかたわらで ガンの夫を家で看取った2年2ヵ月』
夢中で読んで、すぐにもブログで紹介しようと思って2年近くが経ってしまいました。
この本を読むと、きっと、抱えている不安が和らぐと思います。

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『死にゆく人のかたわらで』三砂ちづる著・幻冬舎刊・1400円。
帯には
「夫は、私の腕の中で、
息を引き取った。
悲しみはなかった。
私に残ったのは、
感謝と明るさだけだった。」
と書かれています。

ガンの夫を自宅で看取った2年2ヵ月の記録です。
家で最期を迎えたいと望んでいる人は多いけれど、実際に家で最期を迎える人はとても少ないのが実情です。
どうしたら、望み通り自宅で最期を迎えることが可能になるのか、一番怖かったことは・お金の問題・痛み・延命治療・と具体的に書かれていて、全員皆保険の日本ではお金がなくても医療は受けられることが確認できましたし、大切なのは本人の気持ちと寄り添う側の気持ちだと思いました。
訪問診療をされていた新田國夫医師は講演を撮影させていただいたこともあるドクターで、お話されていた内容を思い出す等つながったことも興味深く思いました。

私はガン家系なのでガンのリスクが高い。多くの知人や友人たちが「ガン(で亡くなるのは)悪くないよ」と言っていて、そのことがこの本によって更に理解できました。
急には死なないからちゃんと準備ができる! 確かに私に向いているかも。

父は79歳の時に自筆遺言を書いていて、その頃から趣味のサークルなどを徐々に整理し、色々なものを片付け始め、胃ガンで84歳で亡くなりました。入院生活は2カ月ほど。
亡くなる前日に、私の病院からの帰りのバスを心配していた父は良き見本を残してくれたと、今でも感謝しています。

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津田塾大学の教授であり作家の三砂ちづるさんの著書で最初に読んだのは『オニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す』光文社新書でした。
一気に読んで、当時住んでいたマンションの友人たちに薦めまくりました。

一部の女性からは批判も出た本ですが、ヨーガを学んでいる私には「身体性」というのは興味深いテーマでした。
この著書を読んだ後、一度、三砂ちづるさんに「べてるの家」のイベントつながりで、お目にかかる機会がありました。笑顔のステキな魅力的な方でした。

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次に読んだのが『身体知 からだが教えてくれること』バジリコ株式会社刊・内田樹さんと三砂ちづるさんの対談集です。
帯には「危険や気配を察したり、場の空気を読んだり。身体に向き合うことでもたらされる、そんな「知性」を鍛えよう。」と書かれています。
この本もワクワクしながら一気に読みました。

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三砂ちづるさんは、絵本『わたしにふれてください』の翻訳も手がけていて、この本は若い友人が出産した時のお祝いに送っています。
「ふれる」ことの大切さがしみじみ伝わってきますし、「ふれられる」ことの暖かさが伝わってきます。

今日は冷たい雨の中、弁護士さんに会いに行ってきました。
予想したような内容の話と折衷案のような提案を受けました。納得はできないけれど、終わりにして、次に向かうべき時期なのでしょう。

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本「さらわれた赤ちゃん」の紹介    [私の本棚]

暮れに親しくさせていただいている小児脳神経外科医の藤原一枝さんから著書『さらわれた赤ちゃん』をお送りいただき、やっと、読むことができました。

読むまで知らなかった「虐待の冤罪」にビックリしたので、もし、関係のある方の目に触れていただければと願ってご紹介します。

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「さらわれた赤ちゃん」藤原一枝著・幻冬舎刊・1200円。
児童相談所といえば、虐待を知りながら深く関わることなく尊い命が奪われてしまうという悲しい事件が思い浮かびますが、この著書で紹介されているのは、つかまり立ちをし始めたばかりの赤ちゃんが転倒して頭を打ち病院に運ばれた後、虐待を疑われて赤ちゃんと会えなくなってしまうというケースなのです。
特に頭の大きな男の子に転倒が起こりやすいそうですが、転倒した時に撮られたCTやMRIの画像診断は専門家でも難しいもののようです。

親の立場にすれば、かわいい赤ちゃんが転倒して、救急車を呼んで、CTを撮ったら「虐待が疑われるので児童相談所に連絡しました」と言われて、赤ちゃんに会えなくなってしまうのですから、その動揺は計り知れません。
医学の専門知識はないし、一人で赤ちゃんを世話しているお母さんはたくさんいます。
虐待でないことを証明するのは難しいのです。

私自身も種類は異なりますが、同じような問題を抱えているのでハラハラドキドキしながら読みました。そしてよき専門家の力が必要なことを実感しました。

「SBS=乳幼児揺さぶられ症候群」ということばをご存知の方も多いと思いますが、脳の安定していない小さな赤ちゃんに「たかい!たかい!」をしたり、両手で持ち上げてゆすってあやすことは慎重にしなければならないと思いました。
親の見ていない場所で転んで頭を打つということも起こっているかも知れません。虐待が疑われるケースは新しい傷と古い傷がある場合です。

藤原一枝さんは『赤ちゃんが頭を打った、どうしよう!? 虐待を疑われないために知っておきたいこと』岩崎書店刊も著しています。
これから赤ちゃんを育てる方、子育てに関わることになる方は、そういう本が存在することを心に留めて置いてください。
藤原一枝さんはメールでも相談も受け付けています。

今日は「えい! やー!」と気合を入れて陶芸サークルに出かけました。作陶している間は無心になれたので出かけてよかったと思っています。

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本「YA映画館」が届く    [私の本棚]

著者の名取弘文さんから「ナトセンおすすめ YA(ヤングアダルト)映画館」子どもの未来社刊の著書が届きました。
ご連絡を頂いて、いくつかの質問に回答したことを、すっかり忘れていました。

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ナトセンは名取先生の呼び名。
名取弘文さんは家庭科の教師をされていた方で、ドキュメンタリー映画『おもしろ学校のいち日-名取弘文の公開授業』(1985年)で授業風景を披露している方です。

本のカバーには「映画は人生のみちしるべ」と赤い文字があり、「私はあなたを映画ファンにしたくて、この本を書きました。映画は笑ったり、泣いたりさせてくれます。が、一方で、世界で何が起きているのか、こういう文化もあるのかと教えてくれます。」とあります。

私は若い人に映画を映画館で見てほしいと願っています。
自分とまったく違うところで泣く人が居る、笑う人が居る、そういう体験がきっと役に立つと思っているのです。それは自分と違う価値観があることを肌で知ることであり、想像力を育てるきっかけになると思っています。
何かうまくいかないことにぶつかった時に、ちょっと違う視点から考えてみようという発想ができるようになるためには、世の中には色々な価値観があるという感覚が役に立つと思っているのです。

辛いことやうまくいかないことがあると考えは煮詰まって先細りになってしまう傾向があります。
それは苦しくて辛いことで、それに耐えてもあまり解決に結び付かない・・・。
感受性豊かな若い時にこそ色々な映画を見てほしいと思っています。

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本で紹介された100本の映画の中に『旅する映写機』も入れていただきました。感謝!
1、学校・友だち・家庭
2、ラブロマンス&エンターテインメント
3、文化に出会う
4、戦争と平和、沖縄
5、環境とエネルギー問題
の5つに分けられ100本の映画が紹介されています。

見開きの原稿ですから全部は紹介できません[わーい(嬉しい顔)]
中高校生のお子さんやお孫さんのいらっしゃる方、どうぞ、参考にして一緒に映画を見てください。

『まわる映写機 めぐる人生』に登場する荒島晃宏さんは、「映画館へ出かけ、映画を見て、家に戻ってくるまですべてが映画体験だ」と話しておられます。
その日はどんな天気だったのか、どの道を通ったのか、誰と行ったのか、一人だったのか、お腹が空いて何か食べたのか、家についてホッとしたのかなど等、全部がからだの記憶となって蓄積されゆくと、私も思っています。
と言いながら、最近映画を見ていない[もうやだ~(悲しい顔)]

今日も公式サイト更新作業。
更新作業を息子と別々にしていることもあって検索すれば読めるようになっているのですが、もう少し形が整ってから正式に公開したいと思っています。

皆さんのところは台風の影響はいかがですか。
大宮は時々、強い雨や風が吹いています。今夜が雨のピークのようです。台風の予報がだんだん被災地を直撃するようになってきて心配しています。まだ、土砂に埋もれている状態の地域をどうぞ避けてくださいと祈っています。

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『キネマの神様』を読む    [私の本棚]

2週間ほど前、処方箋薬局に行ったらとても混んでいて長く待つことになりそうなので、近くにある「フタバ図書」で時間を潰すことに・・・。
我が家からは駅と逆方向にあるため滅多に行くことがなく、時間つぶしをするつもりだったのに、本は出会いですね。

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タイトルの『キネマの神様』(原田マハ著・文春文庫)が気になって手にしたら、なんと解説が片桐はいりさん!

片桐はいりさんと言ったら『もぎりよ今夜も有難う』の著書でも知られる女優さん。
学生時代に映画館でもぎりのアルバイトをしていたことは有名で、今でもその楽しさが忘れられず(?)もぎりをすることがあるとかないとか・・・。
これは買わなくちゃ!と、即買いしました。

39歳独身の歩(あゆむ・女性)はバリバリのキャリアウーマンだったけれど、突然会社を辞めるところから始まる。
マンションの管理人をしている両親。父親が倒れて入院し、母は付き添いに!ということで管理人の代打を頼まれる歩。会社を辞めたことはまだ言うことができない・・・。

ギャンブル好きの父親が借金をしていたことが分かる。依存症から立ち直させるために策を講じる母と娘。映画好きの父に映画について書いてみたら?と、娘は提案する。
ひょんなことから79歳の父の映画の感想がネット上に公開され、英語に翻訳され、英語のすごい書き込みが始まる・・・。
映画好きなら一気読み間違いなし! 
構成のうまさと展開の速さでどんどん引き込まれてしまいます。

1ヶ月ほど前、新作のパンフレットに本編でも使っている大林宣彦監督の講演の一部を転載したいと許可をお願いする手紙を書きました。
そして、一緒に新作のDVDも同封したのですが、なんと、体調を崩しながらも次回作に取り組もうとしている大林監督が見てくださり、パンフレットにコメントを書きますという連絡が入ったのです。
「字数なんで気にせず、書いていただけるだけで有難いです」とお返事したのですが、数日で仕上げて送ってくださいました。

その大林監督のコメントと、この「キネマの神様」の中で語られることが見事に重なって唸ってしまったのです。
<この映画(『硫黄島からの手紙』)は、「大きな戦争」の映画ではなく、「小さな平和」の映画だったのではないか?>

そして、『まわる映写機 めぐる人生』の中で、映画を映すことに向けてきた思いを語ってくださった皆さんのことばも重なった。
「映画は学校だった」と大林監督は講演の中で語っておられる。
映画を映すことに心をかたむけてきた皆さんは「映画の学校」を届けてきたんだ!と思ったら、読み終えた電車の中で泣きそうになってしまった。

片桐はいりさんの『もぎりよ今夜も有難う』の感想はこちら↓
https://harunoumi.blog.so-net.ne.jp/2014-06-21

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文芸コミック「かたわれワルツ」    [私の本棚]

昨日に引き続き、浦河つながりというか、映画館「大黒座」つながりで、文芸コミック 「かたわれワルツ」 を紹介したいと思います。
浦河在住のマンガ家鈴木翁二さんは「大黒座まつり」の仕掛け人であり、4代目館主の三上雅弘さんの盟友でもある方です。

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白地の本なので分かりにくくてすみません!
鈴木翁二さんの最新刊 「かたわれワルツ」 而立書房刊 2000円+税

あとがきで、鈴木翁二さんは、「かつては<おばあさんと孫>のコンビがあった。」と書いている。
えっ、なに? と、あとがきから読んでしまいました。
嘗て「ガロ」に掲載された作品も加筆再編して再掲載されています。
もちろん、未発表のイラストも。
「ガロ」を知らない方も、知っている方も、手に取って頂ければ幸いです。

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『小さな町の小さな映画館』のフライヤーです。
使わせていただいた翁二さんの 「ニッケルパラダイス」 という作品は、浦河をご存じの方なら懐かしくてたまらない絵です。
浦河駅、大黒座、浦河港・・・。
そして、映画の登場人物たちがちりばめられています。

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『旅する映写機』のポスターです。
映写機の映画なので、どこかに映写機を描いてくださいと注文して描いていただいた「地球座初日」
小さいけれど、確かに映写機が描かれています。
お分かりになるでしょうか?

この原画は私の手元にあり、額に入れて飾り、毎日眺めています。
一見すると楽しそうですが、よく見ると怖い絵。
翁二さんらしい作品だと思っています。

今日も午前中のうちに接骨院へ。
腫れは引いたものの内出血の青紫の部分は広がり、足の指がびっくりするような色になっています。でも、しっかり固定してくださるので痛みを感じることもなくなりました。
階段を上る時は交互に足を出せるようにもなってきています。でも、無理は禁物ですね。

今まで簡単にできていたことができなくなり、老後の不自由な生活のリハーサルだと思って、注意深く過ごしています。
少しずつですがキャプチャー作業も再開しています。

とんぼの本「ボロブドール遺跡めぐり」    [私の本棚]

新潮社の「とんぼの本」のファンの方は多いと思います。
私もその一人! 何冊か持っていて、どれも楽しくてお気に入りの本です。

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ペタ~ンと開くくらい何度も見ている、とんぼの本「ボロブドール遺跡めぐり」田枝幹宏、伊東照司著
1992年発行ですから、この本も古い本ですね。
いつか行ってみた~い!と、思いながら何度も何度も開いた本です。

ボロブドール遺跡近くの「マノハラホテル」に泊まって、ゆっくり遺跡を見たいと思っていたので、お金と休みとホテルの空きと3つの調整が大変でした。
でも、「マノハラホテル」に泊まったお陰で、サンライズツアーに割引料金で参加でき、何度でも遺跡には出入り自由、しかも閉鎖時間になっても遺跡に残れるというラッキーな旅になりました。
市内からかなり離れているので普通のツアーではちょっとしか見られないため、自分で手配をして友人二人を誘って出かけました。

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「ボロブドール遺跡」の壁にはお釈迦さまが悟りを開くまでの物語が彫られています。
興味深いのは、悟りを開いたお釈迦さまがこんなに良いことをしましたよ!ということが彫られているのではないこと。
旅に出る前に、もう少し予習をしていけばよかったと思ったものでした。

ほとんどは「ボロブドール遺跡」についての画像と文ですが、ジャワ島内にあるヒンドゥー教の遺跡「ロロジョングラン」にもページが少し割かれています。

仏教遺跡の「ボロブドール遺跡」はとても緻密にできている印象を受けましたが、ヒンドゥー教の遺跡はちょっと大雑把というか、おおらかに作られているように思いました。

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高い聖堂が並んで立っている姿はなかなか迫力がありました。

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天に向かって伸びていくような聖堂。

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夕暮れ時のその姿はとても美しいかった!

毎日毎日引き籠っていても・・・と思って、今日は外出。
出かけたのは郵便局、本屋、ビッグカメラ、地元の小さなスーパー。昨日半日係りで準備したものを10通発送し、雑誌と充電式の電池を購入し、食材を少し買ってきました。

明日は「水曜ヨーガ」の初日です。
恒例のマントラのCDを掛けながら「太陽礼拝」を皆で行う予定です。新しく参加してくださるようになった方もおられるので、「太陽礼拝」と「呼吸」の資料をコピーし準備を整えています。元気に楽しくヨーガサークルをスタートしたいと思っています。

「ボロブドール遺跡」の旅のブログはこちら↓ 2012年9月4日から9回ほど書いています。
http://harunoumi.blog.so-net.ne.jp/2012-09-04

マンダラに関する2冊の本       [私の本棚]

いつから「マンダラ」に興味を持つようになったのかは定かではないけれど、「学研グラフィックブック10 マンダラ 神々の降り立つ超常世界」立川武蔵著は、ずいぶん昔に買った本です。

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1998年10月30日第2刷発行となっているので、それより後に購入したことは確かです。
一時期、バリ島に夢中になっていた時、“神々の降り立つ島”というキャッチフレーズがあったので、それで購入したのかもしれませんし、定年後の父が写仏をしていたので「マンダラ」を身近に感じて購入したのかもしれません。

グラフィックブックですから、写真満載! しかもカラー写真がほとんど! 文字だけのページはありません。なので、気が向くとパラパラと眺め、あちこちをちょっと読んでは楽しんでいました。

昨年、ちょっと真面目に読もうと思って、改めて開いたのですが興味深い本でした。
今まではほとんど画像ばかりを見て楽しんでいましたが、「マンダラ観想法の実践」などの文もあり、瞑想の理解を深めるのにも参考になる本です。

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立体マンダラとも呼ばれているインドネシア・ジャワ島にある「ボロブドール遺跡」です。
2012年8月に訪ねているのですが、寺院と呼ぶか、仏塔と呼ぶか、立体マンダラと呼ぶか、と言われていて、その三者の合体であるとも言われています。
真上から見ることはできませんが、4段の回廊になっていて、まさにマンダラのようになっています。

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真上から見た図です。
朝、遠くコーランが聞こえる中、朝日が昇るのを待って佇んでいた時間を忘れることができません。色々な国の人が、色々な宗教の人が、大人も、子供も、30人ほどでしたが、朝日の昇る方向を静かに見守り続けました。祈りの原形(感謝の形)を見た!と思いました。

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「岩波グラフィックス20 曼荼羅のみかた-パターン認識」石田尚豊著は父が持っていたもの。
こちらは文字が多く専門的。でも、漢字にはルビが付いているので、努力すれば読むことはできると思います。
父の書いたメモが1枚挟まれたままになっていました。そのメモには自力観想とあり、13の感想法が番号順にメモされていました。絵を描く参考に購入したのだとばかり思っていましたが、そうでもなさそうです。

あっ! こんなところに植物が!      [私の本棚]

暮れに蕎麦を食べに出掛けた帰り道、「有楽町駅」で発見したスキマの植物!

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以前、あっ! こんなところに植物が! というキャッチコピーで話題になった「スキマの植物図鑑」
塚谷裕一著、カラー版中公新書。「スキマの植物の世界」という続編もあります。
友人が買い求めて、専門的すぎたのか?私にプレゼントしてくれました。
写真満載、植物の詳しい説明付きで楽しい本です。
その本のお陰でしょうか、柱の根元の植物に気が付きました!

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駅まで種が飛んできたのでしょう。
葉だけなので、植物の種類は分かりませんが、タンポポかな?
「タンポポ」だったら、「セイヨウタンポポ」か「ニホンタンポポ」か気になりますね。

次回、「有楽町駅」に行ったら様子を確認したいと思います。
この頃の駅員さんは忙しそうだから抜かれたりはしないでしょう。

あっ、こんなところに植物が! という経験は、皆さんがお持ちだと思います。
我が家でも塀と道路のスキマから色々な植物が芽を出します。あまり小さい時は抜けないので、少し大きくなったところで、逞しいなぁ~と思いながら抜いています。
でも、それは日本が植物にとって居心地の良い場所だからなのです。
海外で農業指導などをしている方のお話では、まず水を何処から引いてくるか・・・ということが大きな問題なのだそうです。放っておいても植物が育つ環境はとても恵まれているのだそうです。

自然が豊かで、四季の変化がある、日本はとても魅力的な国だと思います。日本にギャンブルをしに来る外国人観光客なんて、ほんの一握りしかいないと思います。
先日二条城を散策した時も、「紅葉」がない国の人たちが「紅葉」をバックにたくさん写真を撮っていました。皆さん笑顔で楽しそうでした。笑顔を見るとこちらも笑顔になりますね。

天気予報通り夕方から雨が降り出し、とても寒い日になりました。
今日は一歩も外に出ませんでした。今日も反省! 運動不足でお正月太りも解消せず[もうやだ~(悲しい顔)]

本 「札幌の映画館 (蠍座) 全仕事」 を入手!    [私の本棚]

マイカテゴリーを 「私の宝物」 にするか、「私の本棚」 にするか、悩んでしまった本 「札幌の映画館 (蠍座) 全仕事」
個人映画館 「蠍座」 の代表だった田中次郎さんからご案内を頂いて取り寄せました。

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この画像では分かりませんが、(蠍座 )の文字は銀色!
田中さんらしい美しい本です。
帯のコピーもぐっときます。

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サイズはA4、厚さは4㎝近い。
大きい、厚い、でも、開きやすい本です。

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本を開いた最初のページ。
「全仕事」 と書かれているように 「蠍座」 が月に1回発行していた 「蠍座通信」 が全部掲載されているのです。
「蠍座」 が何時どのような映画を上映したか、がすべて分かります。

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見開きページにずらりと並んだ 「蠍座通信」。圧巻!
ご縁は 『小さな町の小さな映画館』 の撮影中に 「蠍座」 をお借りしてインタビュー撮影をさせていただいたことに始まります。オシャレで落ち着いた雰囲気のカフェスペースがあって、そこを使わせていただきました。
『小さな町の小さな映画館』 の主人公小さな映画館 「大黒座」 にも 「蠍座通信」 が置かれていて、読むとすごく面白い! 知らない映画あり、見方も新鮮。しかも田中さんが寄せる文章が魅力的で、1000円を適当にお送りして郵送していただいていました。大切にファイルして保存してあります。

「蠍座」 の閉館が決まった時、最終号の「蠍座通信」 と一緒に通信費の残りを精算して切手が同封されていた時はびっくりすると共に、田中さんのきっちりした背筋の伸びたやり方に敬礼したい気持ちになったのでした。
その時のことはこちらのブログに↓
http://harunoumi.blog.so-net.ne.jp/2014-12-04

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「蠍座」 も、田中さんも登場する 『小さな町の小さな映画館』 を 「蠍座」 で上映して頂いたので、この本にも掲載されています。
「嫌いな映画はかけない」 主義だった田中さん。なので、『小さな町の小さな映画館』 は嫌いな映画ではなかったことは確かです。これはとても光栄なことだと思っています。

印刷データが残っていなくて大変な作業だったそうです。カラー印刷がモノクロになっていますが、誤植などは直さずそのまま掲載しているそうです。映画のタイトル索引もあります。
最初から順に読む (見る) のも、途中からパラパラめくるのも、なにをしても映画ファンにはたまらない本でお薦めです。アマゾンで入手も可能。
定価4500円+税 有限会社寿郎社刊 TEL 011-708-8565 に直接注文もできます。

中馬聰写真集 映画館    [私の本棚]

「本宮映画劇場」 がNHKで紹介された時間帯が夜だったこともあり、テレビの普及により地方の小さな映画館はピンク映画を上映していた時代があるという話も出て、お宝のポスターなども登場しました。

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発売された時、色々な方々から新聞の記事を頂いたり、メールを戴いたり、ある方などは 「森田さんの本だと思った」 と連絡を頂いた写真集[わーい(嬉しい顔)]
「中馬聰写真集 映画館」 株式会社リトルモア刊 3,600円+税
購入しようと思っていたら、なんと、「大黒座」 の三上館主からプレゼントして頂きました~!
ピンクの付箋が付いている所は私が行ったことのある映画館。

色々な映画館へ行ったんだなぁ~という感慨と、重なっているのは映画館の魅力というか人を引き付けるパワーなのかなぁ~という思いと、小さな映画館がどんどん減っているから重なっているのかもという複雑な思い・・・。

『小さな町の小さな映画館』 に登場する 「大黒座」 はもちろん登場します。
『旅する映写機』 に登場する 「シネマリーン」 「本宮映画劇場」 「川越スカラ座」 「大心劇場」 も登場します。モノクロの味わい深い写真集ですが、「大心劇場」 のみがカラーページがあり、館主の小松秀吉さんが館内に大きな板を広げてポスターを描いている姿があります。
そして、地味な私の2作品を上映してくださった映画館もたくさん登場します。
映画館好きには見逃せない写真集です。

『旅する映写機』 を撮影中、撮影したいと思ったけれど撮影できなかった映画館もあり、撮影したけれど最後の最後にカットしたという映画館もあるのです。断腸の思い!
映画が好きで、映画館で映画を観てほしいと願っている館主さんたち。
「本宮映画劇場」 の放送を見ながら、映画館で映画を観るって楽しいねぇ~と、改めて念を押したい気持ちになりました。
映画館へ行きましょう!

「日本国憲法の大義」を読んでいます    [私の本棚]

幾つになっても知らないことがたくさんあって恥ずかしい限りなのですが、「日本国憲法を読んでみたいと思う」 と以前呟いたら、童話屋発行の小さな学問書①という文庫本を頂いた。
「教育基本法」と英訳も付いて80ページ・286円+税の薄い本でした。

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留守中に届いた 「日本国憲法の大義」 という本。
さすが、農文協刊の本なので、サブタイトルは 「民衆史と地域から考える15氏の意見」 
思わず、目の付け所が違うね!と思ってしまいました。

最初に読んだのは 「不法な改憲がなされるなら、現行憲法を戴いて独立する側こそが、正統日本政府となる! そもそも日本という国は、独立した集落が集まって国となった」 というところから。
独立? 著者の村雲司さんは 「阿武隈共和国独立宣言」(現代書館刊) という著書で、福島原発から30㎞圏内の帰還困難区域の阿武隈村の高齢者が共和国を設立し独立するという話を書かれている。物語なのだけれど、現実味のある話で読んでいてドキドキしてしまう。

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村雲司さんの部分を読み終えて、最初のページに戻り読み進めています。
「押しつけ憲法」 だ、1週間で作られた 「占領憲法」だ、という話は聞いたことがあるけれど、急ぎ日本の憲法草案をつくれと命じられる1年半も前から、民間には自主的な憲法草案をつくる動きがあったそうで、その内容には現憲法の中に生かされた条文も含まれているそうです。
またまた知らないことをたくさん学べる本になりそうです。

「阿武隈共和国独立宣言」 についてはこちらのブログをご参考に↓
http://harunoumi.blog.so-net.ne.jp/2012-08-26

今日は先週急遽ロケでお休みをいただいたヨーガの日。
朝から雨で涼しいくらいでしたが、保持時間を長くして、ひとつひとつのアーサナを丁寧に行うと汗ばむくらいでした。同じアーサナでも、伸びたとか、痛いとか、感じる場所が人によって異なるのも興味深い! 
ずっと考えていること、自分の身体に出会うということ!

映画好きの方にお薦めの本「映画館のまわし者」    [私の本棚]

新潟県上越市の 「高田世界館」 へ撮影に出掛けた時、ひょんなきっかけから対談することになった荒島晃宏さん。荒島さんの著書 「映画館のまわし者」 は、映画好きの方なら一度は覗いてみたい映写室で起こっていること、行われていること、が書かれています。

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「映画館のまわし者」 荒島晃宏著 近代映画社刊 900円+税
映写技師見習いとして映画館で働き始めた頃、あまりの面白さに、「このこと(映写のことや映画館で起こること)を書きませんか?」 と先輩たちに声を掛けたそうですが、誰も書かなかったので自分が書いてしまったそうです。

映画好きの方に読んでいただければという視点で、専門的になり過ぎないように、言葉も専門用語をできるだけ使わないように、平易に読めるよう心がけたそうです。
それでも、私の知らないこともたくさん書かれていて、映画を観ている間に後ろ (映写室) で、こんなことが起こっていのか! と思い、映画を観る楽しさが倍増しました。
デジタル化に伴いフィルム上映は少なくなっていますが、映画が映画になる最後の場所で何が行われているのか、どうぞ、お読みください。
「上映を繰り返すごとにゴミや擦り傷がつき (略) ほんのわずかずつですが劣化していきます。つまり、まったく同じ上映は二度とありません。」 と、さらりと書かれていたりします。
改めて、映画も一期一会なんだなぁ~!と。

昨日は今年初の撮影で、著者の荒島晃宏さんのインタビュー撮影をしました。
今後のデジタル上映は、映画館公開、個人配信、DVD発売、全部一斉になるのでは? そして、その中からそれぞれが選ぶようになるというお話も。でも、映画館はなくならないでしょうとも。
「子どもの頃 (マンガ映画を) 劇場で観た世代は、大人になっても劇場で映画を観る」 など、私自身が日ごろ感じていることと共通する部分もあって、あっという間の撮影でした。
今年になって映画館へ行きましたか?

本「忘れられない日本人移民」を読む    [私の本棚]

毎年5月に開催される 「メイシネマ祭」 で、岡村淳監督作品を観るようになって何年になるだろう? 毎回、ブラジルから会場入りされ早口で挨拶をする姿が印象的な岡村監督。
毎年、毎年、「メイシネマ祭」 に登場されるということは、毎年、毎年、新作が完成し、主催者の藤崎和喜さんに選ばれているということになります。すごい!

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「忘れられないブラジル移民」 岡村淳著 港の人刊
多くの取材を通して出会ったブラジル移民の中でも、心に残る6人の方のことを、そして取材を通して岡村さんが今の自分の作品作り “ひとり取材ひとり語り” を確立させていく経緯が率直に書かれています。7人目の移民は岡村さんご自身。

「撮りゃあ、いいってもんじゃない。撮るだけなら、銀行の監視カメラにでも任せておけばいい。あえて撮らない刹那の積み重ねを大切にする記録映像作家でありたい。」と、岡村さんは書いておられる。私も撮影の時に、撮るか、撮らないか、迷う瞬間がある。そう、撮らないとう選択が必ずしも消極的な選択というわけではない・・・。

私が最初に見た岡村監督作品は 『パタゴニア 風に戦ぐ花 橋本悟郎南米博物誌』 だったように記憶しています。『ギアナ高地の伝言 橋本悟郎南米博物誌』 『あもーるあもれいら』 の3部作、『下手に描きたい 画家森一浩 ブラジルの挑戦』 も見たし、『リオ フクシマ』 も、昨年、見せていただいた。

村雲司さんが送ってくださった俳句通信 「梅が丘通信 メイシネマ号」 に (今年のメイシネマ祭)
ブラジルのバラバラの夢心灼く
とあり、岡村監督には何時もハラハラさせられる。登場人物の行動に、そして、「どうまとめるのだろうか」 と、監督の仕上げに二重にハラハラするのである。今回私はこの 「ハラハラ」 が、監督の巧まざる作法ではないかと気づいた。自然体で相手に飛び込んでいく岡村さんの余りの無防備に、観客もつい同情心を抱えて同体となってしまうのである。同情したらもうお終い、最後まで冷や汗の連続だ。と、解説が続く。

そうなのだ、毎回のようにハラハラすることで、まるで中毒のようになってしまう岡村作品。
そして、必ず上映に立ち会うという上映スタイル。
岡村さんのパワーを少し分けて頂いて、私は私のやり方でコツコツと粘り強くやっていこう・・・。

今朝は予想外に強い雨が降っていて、ずっと、気になっていた編集に取り掛かりました。なんと、撮影してから2年も経過してしまった[がく~(落胆した顔)] 岡村さんだったら、とっくに第3部が完成しているのではないかと思うけれど。

本「もぎりよ今夜も有難う」を読む    [私の本棚]

『旅する映写機』 の上映が始まって暫くして、ある方から 「もぎりよ今夜も有難うという、片桐はいりさんの本をご存知ですか? 私は読んでいませんが、映画館のことを書いているそうです」 とご連絡を頂いた。
映画の本ではなく、映画館の本らしいというので取り寄せました!

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片桐はいりさんは、18歳の時から7年ほど銀座の映画館 「銀座文化劇場」 で “もぎり嬢” のアルバイトをしていたそうです。
「銀座文化劇場」 は 今の 「シネスイッチ銀座」 
独特のプログラムで、時々出かける映画館のひとつです。

取り寄せの注文をしてから、そういえば 「もぎりよ今夜も有難う」 ということば、何処かで聞いたことがあるような・・・と考えていたら、ブラジル在住の記録映像作家・岡村淳さんが、「メイシネマ祭」 のもぎりを手伝っている私に向かって発したことばでした[わーい(嬉しい顔)]
その時は、石原裕次郎の 『夜霧よ今夜も有難う』 をもじった岡村監督のセンス!と思ったのだけれど、すでにこの本をご存じだったのか! すごい!

片桐はいりさんが、キネマ旬報に連載していたもの (2006年11月~2010年4月) に加筆、一部改題したもの。
中には 「フカヤ・シネマ・ソシアル・クラブ」 というタイトルもあり、「深谷シネマ」 の竹石支配人の名前も、『旅する映写機』 の撮影に協力してくださった映写技師の永吉さんの名前を登場して、なんとも親しみを感じました。
まだ、「深谷シネマ」 が街中の銀行の跡地を利用していた頃を取材しています。
その他にも、知っている映画館の名前が登場して、片桐はいりさんに、『旅する映写機』をぜひぜひ見ていただきたいと思いながら読みました。

『旅する映写機』 で映写機を撮ったというと、ちょっと変わっているなぁ~と思う方も多いようだけれど、なんとなく、片桐はいりさんの思いと共通点があるように感じています。

今日は封筒の印刷へ。知人のお陰で印刷機を安く利用することができて、封筒の印刷などに使わせて頂いています。なにしろ、お金がないのに、またまた、撮影を始めたりしているので、節約!の文字が頭から離れません。
でも、「萬代館」の撮影のように、ちょっと遅くて撮影の機会を逃してしまったという経験を多々しているのです。そして、岡村淳監督の著書 「忘れられない日本人移民」 港の人刊 を読み、とにかく撮るという岡村さんの姿勢に刺激され励まされているのです。

「福島、飯館 それでも世界は美しい」を読み始めました!   [私の本棚]

「福島、飯館 それでも世界は美しい」(小林麻里著・明石書店刊・1800円+税)を上梓された小林麻里さんとのご縁は、名古屋で開催されていた「名古屋べてる祭り」です。

今のように、「浦河べてるの家」が有名でない頃に開催されていた「名古屋べてる祭り」。私も何度か参加させていただきました。ギリギリで作品を仕上て、それを持って会場入りして上映したこともあったように記憶しています。1995年から「浦河べてるの家」の映像作品に関わっています。

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本の帯を書かれているのは田口ランディさん。
鳥の眼で、魚の目で見つめた3.11後の世界の
なんという美しさ。最悪のなかで彼女は知ったのです。
すべての生命(いのち)はつながっていると。
この本は21世紀の「沈黙の春」です。
と書かれています。

田口ランディさんも、こう表現してよいのか分からないけれど、べてるに嵌ったお一人。上野千鶴子さんもそうです。どういう経緯で、ランディさんが帯を書くことになったのか分かりませんが、「べてる」繋がりだったら楽しいなぁ~と思っています。

3.11に関しては、ほんの少し寄付をしたのと初めてデモに行ったくらいで何もしてない私。ちょっと気が引ける思いをしていて、でも、具体的にどうしたら良いのか分からないでいます。
そんな私が読み終えていない本について書くのは少し気が引けるのですが、体験者の生の声が一番の情報だと感じています。直接、体験した皆さんのお話は、それぞれにとても具体的。それを文字で、生の声で、知ることは、とても貴重な経験だと思います。
しっかりと、一人一人が考える時が来ているのだと思います。具体的な場面ごとに、自分で感じ、考え、判断する時が来ているのです。

「名古屋べてる祭り」のスタッフだった小林さんは結婚されて、飯館村で農的な生活に入り、幸せな結婚生活をされているものとばかり思っていたのですが、最愛のパートナーを癌で亡くされ、それを乗り越えたかと思った時に、3.11が起こりました。
小林さんは、「苦しみを苦しみのまま終わらせないために、悲しみに押しつぶされないために、絶望で心が壊れてしまわないために、私は書く」と、前書きで書かれています。
乗り越え方には、その人それぞれの手立てがあると思います。それぞれの皆さんが自分の手立てに気付き、出会い、乗り越えることができますように!と祈っています。

「阿武隈共和国独立宣言」を読んで   [私の本棚]

友人と書くには大先輩すぎる(年齢だけではなく、いろいろな意味で尊敬している)村雲司さんが、「阿武隈共和国独立宣言」」(村雲司著・現代書館発行・1200円+税)という本を上梓された。
ご本人に注文しても良かったのですが、他にも取り寄せたい本があったので注文しました。

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「阿武隈共和国独立宣言は、村雲さんが発行している俳句通信「梅が丘通信」に、最初に書かれた俳句+文がスタートになっています。

しんしんと耳鳴りの野や夢寒夜

 発作性めまい症の続きか、こんな目くるめく夢を見た。福島の放射能汚染による長期帰宅困難地域の代表者が、日本外国人特派員協会で記者会見を行った。外国人記者を中心に三百人余りの報道陣を前に代表者はこう静かに語り始めた。「私たちの祖先は、天明の飢饉の折、餓死で失われた相馬藩の人手不足を補うために、加賀、越中、越後、能登などから強制移住させられた困窮農民であります。先祖代々お上の都合で振り回されて来た私たちが、二百年後の今また、塵芥のごとく扱われようとしています。もはや日本政府や東電の、お情けと恫喝によって生きる屈辱を断ち切り、死を覚悟して自分たちの力のみで生きる独立自尊の道を選ぶことにしました。今日ここに飯館共和国の独立を宣言します」。

飯館に凍み大根あり濁酒あり

 記者たちの間から驚きの喚声が上がった。それを制しながら代表は続けた。[国名は自給自足の最低限の食料と雨露をしのげる家さえあれば足りる人間の原点を掲げて『飯館』としました。私たちは大企業の意のままに踊らされ、人間本来の欲求からは遠く離れた虚妄の欲望をそそられ続けて来ました。これから私たちは地産地消、この土地で収穫したものだけで生きて行きます。主食の飯館米は天明の移住以来、営々と我が先祖たちが丹精して来た極上のものです。燃料は絶えることなく続けて来た炭焼きによる高品質の飯館炭です。凍み大根、凍み豆腐、うどん、どぶろく、そして飯館牛と産品にはこと欠きません。私たちは、既に充分過ぎる放射能を浴びせられてしまいました。同じ死を迎えるなら、汚染されたものであろうと、私たちは最後の日まで、自らの手で産みだしたもので生きる幸せを享受します。国民の条件は六十歳以上、滅び行く故郷の最後を大地と共に看取ろうと決意した者たちが結集しました」。

暦果つ心の除染ならぬまま

 共和国の代表は暫し沈黙した後、会場全体を見渡した後、きっぱりとこう語った。「私たちはこの独立を保障すために核武装することも合わせて宣言します」。記者たちから今度は悲鳴が上がった。再び両手を上げて制しながら、これまで以上に決意のこもった調子で代表は続けた。「私たちの国土から、図らずも大量に産出する高レベルの放射能汚染土を、粉末状に乾燥させ花火の三尺玉に詰めたものを、わが国の花火師たちが、既に数百発余り完成させています。私たちの独立を鎮圧しようとして、機動隊や自衛隊が国境を超える時、私たちは躊躇なく三尺玉を打ち上げます。私たちは自らを安全の地に置いて、遠くからミサイルを発射するような卑怯な核攻撃はしません。私たちも共に被曝する覚悟です」。

銀杏舞い目も廻う国の傾きて

 たいていの夢は目が覚めると共に忘れてしまうが、この夢はくっきりと残っていた。夢か現かの惑いの中で、恐る恐る朝刊を開いた。案の定それらしき記事はなかった。もしもあったら・・・。私は即座に飯館共和国へ馳せ参じたいと思った。ほぼ国の全域を放射能で汚染されながらも、なお原発再稼働とその輸出までも受け入れようとする呆けた日本国民に、共和国の核花火で、華々しく引導を渡したかったからだ。

私と同じように「梅が丘通信」を読んだ、ガリ版通信「あめつうしん」の発行人Tさんが、「もっと長い物を書いてください!」と注文して書かれたものが、「あめつうしん」に掲載され、更に、もっと長い物を書いて本にしませんか?ということだったようです。

「あめつうしん」に掲載された文を読んだ私の若い友人は、本当のことだと思って心臓がバクバクしたそうです。
沖縄に住む大重潤一郎監督は「梅が丘通信」を読んで、「飯館共和国が独立宣言をしたら、僕も是非住みたいと伝えてください」と、わざわざ興奮して連絡をくださった。そんなドキドキを味わいたい方は、どうぞ、お読みください。

北海道浦河町で移住体験   [私の本棚]

ドキュメンタリー映画『小さな町の小さな映画館』をご覧になった方から、「浦河へ行ってみたくなりました~!」とか「浦河に住んでみたくなりました~!」と言われることがあります。
「浦河は北海道でも雪が少なくて、北海道の湘南なんて言う人もいるんですよ~」と、私は応えています。

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春頃だったでしょうか、浦河のOさんが送ってくださった[晴れ]「うらかわ暮らし 夏の北海道 移住体験日記」と[雪]「うらかわ暮らし 北海道 移住体験日記 冬の魅力満載」の2冊の冊子(A4版・カラー42ページの豪華版)。本当に浦河で移住体験をされた方が、得意な[アート]イラストと手書きの文字で綴った日記を冊子にまとめたものです。

『小さな町の小さな映画館』の撮影中に、「浦河に移住して撮影すれば経費節約になるしょ」と言われたことがあります。(笑) ちょっと、心も動きましたが諸般の事情によりそれはできなかったので、この冊子が届いた時は夢中で読みました。紹介しようと思っていたのですが、今頃になってしまいました。

浦河では移住体験の相談・問い合わせに、浦河町の企画課が対応しています。この冊子は「馬と人と地域の活性化協議会」が発行したもので、入手の方法までは分かりませんが、関心をお持ちの方は、どうぞ、町役場へ問い合わせてください。

今日はご近所に不幸があって、急にお通夜に行かなければならなくなりました。30数年振りに実家へ戻った私には、両親の近所付き合いの詳細までは分からないのですが、昔ながらの方が多く住んでおられるので、いろいろアドバイスをいただきながら、なんとかご近所付き合いをしています。

本「弟を殺した彼と、僕。」   [私の本棚]

大阪ミナミで痛ましい事件が起こりました。容疑者は「人を殺してしまえば死刑になると思って刺した」と供述しているという。お二人の方が亡くなられた。以前にも、死にたいと思ったけれど死にきれず、人を殺せば死刑になると思った・・・という事件は起きている。

死刑は犯罪の抑止力になるという意見があるけれど、死刑になりたいと無差別殺人を起こす人が居ることも事実です。

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「弟を殺した彼と、僕。」(原田正治著・2004年・ポプラ社刊)。この本は、「半田保険金殺人事件」で弟を殺された原田正治さんが書かれたノンフィクション。原田さんのインタビュー作品「生きてこそ 償える 癒される」に関わったことがあって読みました。

弟が勤務していた会社の社長が、なんと、保険金目的で弟を殺したというのだから、真相を知った時の原田さんの驚きは想像もできない。
何度も何度も、獄中から送られてきた手紙は、全部、目も通さず捨てていたという原田さん。でも、ある日、封を開け手紙を読んで、文句の一つでも言ってやろうと、拘置所へ面会に出かけるのですが、緊張のあまりロクにことばを発することができない。逆に彼の方は笑顔を浮かべて面会に来てくれたことを喜んでいる・・・。

裁判員制度も始まりました。人が人を裁くこと、冤罪、死刑、犯罪被害者家族の権利、そして、犯罪者と呼ばれる人にも家族が居ること。弟を殺されたことで、大きく変化した原田さんの人生。読み終えると大きなため息が出るかもしれないけれど、人にとって救いとは何か、償いとは何か、考えるチャンスになると思います。

本「インドネシアの野焼土器」   [私の本棚]

今日は陶芸サークルの本焼きの日。窯当番も兼ねてアトリエへ行って、少し作陶をしてきました。

乾燥した作品は、一度800度くらいで素焼きをし、その後、釉薬を掛けて本焼きをします。本焼きの温度は1250度くらい。アトリエにあるのは電気の窯で、温度設定されているのですが、設定温度と実温度を管理表に、毎回、記入しています。

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随分以前に購入して、そのままになっていた「インドネシアの野焼土器」(川崎千足・写真・文・京都書院アーツコレクション)という本を、最近、一気に読みました。面白かった[わーい(嬉しい顔)]

沖縄でインタビュー撮影をした大重潤一郎監督は、パナリ焼きという焼き物の再現を撮影、作品にしています。インドネシアと沖縄にはいろいろ共通点が多くて、とても興味深いのですが、このパナリ焼きとインドネシアで使われている土器もとてもよく似ています。

この本が書かれたのは1998年。著者の川崎千足さんが、インドネシアで土器の取材をしたのは、更に前のことなので、20年くらい前のことになると思うのですが、土器村を訪ねて、ジャワ島・バリ島を旅しています。
村ごとに土器の作風も野焼きの方法も異なるのですが、その様子がたくさんの写真と共に紹介されています。きっと、その後、減少しているとは思いますが、本に紹介されている写真を見るだけでワクワクしてきます。

弥生土器とインドネシアで使われている土器は、“全くと言ってよいほど似通っている”と、著者は書いています。弥生土器の誕生は、食文化に大きく影響を与えました。水や米を蓄えるための壺が作られ、煮炊きをするための調理道具が作られたのです。縄文時代の呪術的な祭器ではなく、使う道具へ変化していった・・・。

そして、「土器で炊いたご飯を食べさせてください」と頼むくだりがあるのですが、きっと、弥生時代に食べていたのと同じ味わいを体験できたに違いありません。
また、感動の技として「斜めロクロ」が紹介されています。やっと、ロクロができるようになった私にとって、斜めになっているロクロなんて信じられません[あせあせ(飛び散る汗)] インドネシアの女性たちはサロンを巻いているので足を広げることができないため、工夫・発展したと思われる「斜めロクロ」。一度、目の前で見てみたいなぁ~[目]

インドネシアが好きな人、陶芸が好きな人、旅行記が好きな人には、お薦めの1冊です。

「ヨーガ入門」と「ヨーガのすすめ」   [私の本棚]

「大黒座」では、お客さんのいない回は上映をしないのですが、「シネ・ヌーヴォ」では、どうするのかしら~なんて、考えたりして・・・。

若い時に、自主映画の上映会をさんざんしたという大先輩から、「上映されるたびに、客数とか感想が気になって、やきもきするものでしょう」とメールを頂きました。
そう言っていただけると、少しほっとします。

気にしたところで、どうすることもできないのですが、お客さんが入らないと映画館に負担をかけることになってしまうので、気になって仕方がいないのです。
1日に2回も上映してくださって、感謝の気持ちで一杯です。

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今日の画像は、私が初めて買ったヨーガの本。
一番最初に「ヨーガ入門」を読んで、2・3年ヨーガをしてから「ヨーガのすすめ」を購入し、分からないアーサナがあると、本を片手にチャンレンジしていました。
そして、その後、研修会などにも参加するようになりました。まだまだ、修行の身です。

この頃の私はすっかり慎重派になっていて、怪我をして一番困るのは自分だからと、頭立ちなど首を痛めそうなアーサナは避けています。本当はそれではダメなのでしょうが・・・。一人で練習していて怪我でもしたら、救急車も呼べないし・・・。心配し過ぎかしら?

脳梗塞で倒れた一人暮らしの大先輩が、自分で電話して、なんとか、回らない口で状況説明をして、受話器を置いた後、玄関の鍵を開けておかなければ・・・と思って、這っていって鍵を開けて、そこで意識を失ったと聞いた時は、凄い! と思いました。
もちろん、回復されておられるので、そういうお話をお聞きできたのですが、本当に凄い!

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