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ドキュメンタリー映画『ニッポンの嘘』を見る    [私の映画観]

昨年、いろいろな賞に輝いた『ニッポンの嘘』。
見逃していたのですが、友人が、千歳烏山で上映会を催すというので出かけました。
少し早めに会場に着いたかな・・・と思いきや、大変な人で賑わっていました。

会場は天井の低い会議室に椅子を並べたもので、スクリーンの下の文字は前列の方しか見られない状況。でも、自主上映会にたくさん人が入っているとそれだけで嬉しくなります。

123  ニッポンの嘘.jpg

戦後66年、現場の最前線でシャッターを切り続けてきた伝説の報道写真家・福島菊次郎さん。
「問題自体が法を犯したものであれば、報道カメラマンは法を犯してもかまわない」と言い、隠し撮りの方法をカメラの前で披露する。「国を攻撃しながら、国の保護は受けられない」と、年金を拒否。愛犬とつましい生活を送っておられる。
福島菊次郎さんも、長谷川三郎監督も、来場されるという豪華版の上映会でした。

随分昔、世田谷で福島さんの写真展を開催しようとして、妨害があったのか実現できなかったという経緯があって、ぜひとも、世田谷の地で『ニッポンの嘘』を上映したいと、当時、写真展に関わった方々の思いからスタートした企画だそうです。

長谷川監督は、「菊次郎さんの人柄にほれてしまって撮ることになりました」とおっしゃっていましたが、愛犬とのやり取りや補聴器を買いに行った時の店員さんとのやり取りなど、ほんとチャーミングでした。確かに被写体に魅力を感じないと撮れませんね!
会場には菊次郎さんの被写体となった障碍を持つ女性もいらしていて、「撮られる時は、それが作品として発表され、こうして映画の中でも使われるとは思っていなかった」と語られました。
撮る、撮られる、作品として世の中に出る、反響を生む・・・。いろいろ考えさせられました。

大黒座03改訂版.jpg

北海道浦河町にある「大黒座」でも、『ニッポンの嘘』は上映されています。上映と併せて、福島菊次郎さんの写真展も何回かに分けて映画館のロビーで開催したそうです。
札幌から2時間以上も掛かる、人口1万4千余りの小さな港町で、90年以上も続いている映画館「大黒座」で、『ニッポンの嘘』が上映されていることに感動します。
町の人は90年以上も続いているので、町に「大黒座」があるのが当たり前になっているかもしれないけれど、北海道の小さな港町で、この作品が観られることは本当に幸せなことだと思います。

「大黒座」の4代目館主・三上雅弘さんは大学進学のため上京し、何かの集会の時に、カメラを持って出かけたところ、福島菊次郎さんに出会ったそうです。そして、カメラを持っていることから話し掛けられたそうです。
そのこともあって、作品の上映と写真展が開催されたのだと思いますが、「絶対に映画館は続けなくてはならないとは思っていない」と語っておられる三上さんですが、映画を見てほしいという思いが伝わってくるのです[わーい(嬉しい顔)]

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Key

映画ですか?
ぜひ見たい!です。
by Key (2013-04-01 04:26) 

森田惠子

Keyさん>ドキュメンタリー映画です!
この作品を見ると、知らなかった「ヒロシマ」 「戦後」 「安保」 「三里塚闘争」等なども知ることができます。
30代の方はもちろん、40代の方でも知らないことが多々あると思います。
そして、福島菊次郎さんの生き方にも、多くのことを考えさせられると思います。

by 森田惠子 (2013-04-01 08:49) 

key

ドキュメンタリー映画、いいですねえー
本気で探そう!

mixiのコミュで憲法9条を少し、勉強しました。
安保までは少しは知ってますが、三里塚闘争は知りませんでした。

ネットで探してみます。
by key (2013-04-01 23:36) 

森田惠子

Keyさんは若いからねぇ~!(笑)
でも、若くない私にも、知らないことはたくさんあります。

知っているのと、知らないのでは、行動に直接結びつかなくても、違いは大きいと思っています。
by 森田惠子 (2013-04-02 11:52) 

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