SSブログ

「本宮映画劇場」は宝の山   [製作日誌]

「本宮映画劇場」の持ち主・田村修司さんは、映画不況になった時に、映画館を閉じて車のセールスマンになったそうです。高度経済成長の時だったので、車はどんどん売れて、報奨金を貰って、そのお金で、「定年退職したら、映画館を再開するのだ!」と、手放さずに、映写機はもちろんのこと、他の設備も大切に手入れをし維持してきたそうです。

180 整流器.jpg

これは通称「タコ」と呼ばれている整流器。
交流を直流にする装置らしいのですが、映写機に続き詳しい説明は私にはできません[ふらふら]
とてもめずらしい物だそうで、一緒に出かけた映写技師の永吉洋介さんが「初めて、見た!」と興奮した声を上げていました。

大きな電球とその周りに伸びる配線がタコのようなので、通称「タコ整流器」というそうです。
この大きな電球を放電させるために、下にある小さな電球をつけて整流器を暖めて、田村さんは私たちの到着を待っていてくださいました。

「本宮映画劇場」通称「定舞台」を守る会の代表の安田秀一さんが、「いつも、田村さんはそうなんですよ。映写をする時でも、見学の人が来る時でも、完璧な形で見せたいと、丁寧な準備を重ねて、当日を迎えるんです。職人なんですよ」と、話してくださった。

いろいろ、こちらがお願いしても、ニコニコと応じてくださる田村さん。その傍らで笑顔でサポートされる安田さん。お二人の映画館への、映画への、愛情が伝わってきました。

179  ポスター.jpg

たくさんの宝物を見せていただきましたが、撮影していたので、お見せできずに残念です。

このポスターは、最近、映画のロケで倍賞千恵子さんが「本宮映画劇場」にいらしたそうで、その時に、ポスターの山の中から賠償さんの出演している映画のポスターを探し出してお見せしたら、サインをしてくださったそうです。
きっと、賠償さんも50年前のポスターがあって、びっくりされたのではないかと思います。

nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 2

永吉洋介

通電されているタコ整流器(水銀整流器)は本当に貴重です。

僕が初めて見たタコ整流器は夕張の炭鉱資料館に展示されているものでした。
映写機だけでなく、直流電源が必要な機器には使われていたみたいです。

家庭にも工場にも映画館にも電気は交流で送電されてくるので、直流が必要な時は交流を直流に変換する必要があります。
タコ整流器はその役割をしてます。

昔は交流カーボンもあり、整流器がなくとも映画を上映できていたそうですが、交流カーボンは光が安定せず明るさが足りなかったそうです。

交流はプラスとマイナスを行ったりきたりするので厳密に言うと電圧がゼロになる瞬間が1秒間に50~60回あり、カーボンが明るくなったり暗くなったり安定はしていないのです。

その点、直流だと一定の電圧を供給してくれるので安定した光となります。

今は技術が進歩して、整流器もコンパクトになりましたが、タコ整流器の時代は重量が200キロ近くあったみたいですね。
そんな巨大なものを置いておくだけでも大変なのに、動力電源(基本料金だけで1万円以上)の契約を切らず、40年以上いつでも上映できるようにしていた田村さんの熱意には頭が下がるばかりです。

タコ整流器が通電すると、青い光が放電して凄く綺麗でした。50年以上前の代物なのに、近未来を感じました。


田村さんをサポートする安田さんにも本当に感謝ですね。安田さんのお陰で資料館にも行けたし、本宮中央館跡地(以前あったもう一つの映画館)にも行けたし、その流れで安達太良神社(本宮の名の由来)にも行けたし、良くないのは天気だけでしたね・・・。

by 永吉洋介 (2012-04-28 17:40) 

森田惠子

タコ整流器が通電する時の、青い光は本当にきれいでしたね。
もう一度、ちゃんと撮影しようと思っています。

by 森田惠子 (2012-04-28 20:12) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。