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シンポジウムの上映が無事に終了!    [失語症]

正式に表記すると「平成30年度 東京都失語症者向け意思疎通支援者養成事業普及啓発シンポジウム」という長いタイトルになるシンポジウムの上映が無事に終わりました!

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年始年末は何もなくてもなんとなく慌ただしい時期。その時期に撮影・編集・試写・調整をしてきたので、無事に上映が終わってホッとしています。

失語症の方がどのような場面で苦労しているのか、言いたい言葉が出てこない、会話の意味が分からないなどの場面を示して、どのような工夫ができるのかを見ていただくという構成の啓発動画と49歳で脳出血で倒れ重い障害をおわれた方が今は元気に趣味を楽しむ生活をされている様子を紹介する体験動画の2本を作りました。

1622 失語症シンポジウム.jpg

シンポジウムの構成は、開会のことば、主催者の東京都福祉保健局の挨拶、NPO法人日本失語症協議会の挨拶、啓発動画上映、体験発表3人、パネルディスカッション、閉会のことばでした。

パネルディスカッションの時に、会場から「死にたい気持ちになったけれど、皆さん(体験発表をされた登壇者)はそういう気持ちになったことはありますか、なったとしたら、どう乗り越えたのですか?」という質問がありました。
失語症者独特の一言一言を絞り出すような話し方で、もうその時点で私はジーンとしてしまいました。どんなに失った言葉を取り戻そうと努力されたことでしょう。

お一人の登壇者は、「私もそう(死にたい)思った時もあった。けれど、今は別の自分になって生きていると感じる」と。
撮影をさせていただいた方で、仕事人間だったと思われるHさんは失語症になってテレビで囲碁を覚え、今はボランティアの方と毎週の囲碁を楽しみにしていて、ちょっとかじっただけだった油絵では個展を開く程の腕前になっています。手帳は色々な予定でぎっしり! 自分の生活を自分でアレンジしておられます。

もう一人の登壇者の方ははっきりと「死にたいと思ったことはありません。私には家族がいます。家族のためにも頑張ろうと思いました」と。
2度の脳梗塞で休職し職場に戻って、「自分は前のように仕事はできないと分かった時も、どういう仕事なら自分にはできるのか?と思った」とのこと。職場復帰は誰もが目指すことですが、言葉を失うと仕事のやり取りが難しくなり、電話に出ることもできません。
職場復帰を果たしたTさんは、最初はメールを読んだり書いたりすることも難しく、退職を勧められるようなこともあったそうですが、家族のためにがんばってきたそうです。

失語症のご本人を励ますのは失語症のご本人だと、私の尊敬する言語聴覚士の遠藤尚志先生はおっしゃっていました。
その様子を目の当たりにして、やはり大変でも失語症の方々が集まれる「失語症のつどい」はやり続けなければならないことなのだと思いました。
私は失語症の家族でも、STでも、介護職でもないので、具体的にできることは限られているけれど、今回のような形なら応援はできると思いました。

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riverwalk

無事に終了して良かったです。
この日の為に懸命に取り組んでこられたのですね。
ご苦労様でございました。
今年もお忙しそうですね。お体壊さない様にして下さいね。
by riverwalk (2019-01-20 22:06) 

森田惠子

riverwalkさん>息子の一時帰国と重なって、更に大変でした。
なんとか上映が無事に終わりました。
by 森田惠子 (2019-01-20 23:13) 

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