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『花筐』を見る!    [私の映画観]

大林宣彦監督作品『花筐 HANAGATAKI』を、やっと見ることができました。
『花筐』のクランクイン直前に肺がんのステージ4で余命3ヶ月の宣告を受けたという大林監督。
作品の完成が危ぶまれる中、見事に完成させただけでなく、上映館に出向いて全国各地で舞台挨拶をされるなど驚異の回復をされています。

086 花筐.jpg

1941年、アムステルダムに暮らす両親の元を離れて、佐賀県唐津に暮らす叔母(常盤貴子)の元にやってきた17歳の青年榊原俊介の新学期から『花筐 HANAGATAMI』は始まります。
原作は檀一雄の純文学「花筐」。
檀一雄も、大林宣彦監督も、魅せられた「唐津」を舞台にしています。

大林監督はデビュー作の『HOUSE/ハウス』より以前に脚本を完成させていたそうで、その分思いの詰まった作品で、その思いにねじ伏せられるような力作でした。
キネマ旬報日本映画ベストテンで2位になり、毎日映画コンクール「日本映画大賞」を受賞するなどの話題作です。見に行こうと思いつつ、なかなか実現できずにいて、今日は雪模様のなか渋谷の「ユーロスペース」に行ってきました。
いろいろな技法を駆使して丁寧に作られた大林ワールド。私自身は戦後生まれだけれど、大林監督のメッセージが強く伝わってきました。

新薬との相性が良くどんどん肺癌が小さくなったそうで、1月9日の誕生日(80歳)を迎えてからは3週間に一度の検査入院となり、関西の舞台挨拶に出掛けるなどお元気に過ごされています。

日本で一番古い映画館と言われている「高田世界館」で、大林監督とパートナーの恭子さんとお目にかかったのは2015年3月の北陸新幹線開通記念のイベントの時でした。
「高田世界館」はNPO法人化され新たなスタートを切り、よみがえろうとしていて、私はそのイベントの模様も撮影させていただいています。

まだまだ、映画作りへの意欲をお持ちの大林監督。
どうぞ、映画製作という特別な“良薬”を使ってお元気なられてください。

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コメント 4

riverwalk

予告編を見ました。
短い映像でしたが、熱いものを感じました。
見に行くかも知れません。
by riverwalk (2018-02-02 23:37) 

森田惠子

riverwalkさん>3時間近い169分の大作です。
そのエネルギーは素晴らしいと思いました。
観客は男性が多かったですよ。
by 森田惠子 (2018-02-03 09:32) 

ぼんぼちぼちぼち

大林監督、そのような病状であられたのでやすか。
作品、気になりやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2018-02-03 21:04) 

森田惠子

ぼんぼちぼちぼちさん>だんだん元気になっていると恭子さんのお手紙にありました。
作品を見て、なんとがんばっていることか!と思いました。
伝えたいという思いが強すぎると感じる方もおられるかもしれませんが・・・。

by 森田惠子 (2018-02-04 12:32) 

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