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『映画よ、さようなら』を見る    [私の映画観]

由緒正しい映画館が閉鎖されることになった。何から何まで引き受けて身を粉にするように25年も働いていたホルヘは45歳。他の仕事をしたことがないという・・・。
スタンダードサイズでモノクロと知ったら見たくなりました。

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ウルグアイの首都モンテビデオに実際にある 「シネマテーク」 を舞台に撮影されたそうです。
フェデリコ・ベイロー監督は学生時代に 「シネマテーク」 でアルバイトをしたことがあり、自分を育ててくれた 「シネマテーク」 を舞台に映画を作りたいと、長年企画を温めていました。

主人公のホルヘを演じるのはウルグアイの映画評論家のホルヘ・ヘリネック。
その存在感に圧倒され、脚本を大幅に変更して作品を完成させたそうです。

848  映画よ、さようなら.jpg

閉館が本決まりになって、中年で独身のホルヘは思いを寄せていた大学教授を誘うことを決心します。今まで黙々と映画館の仕事をしていたホルヘが床屋に出掛けて髪を切り、長年使っていた大きなカバンを床屋に置いたまま店を出ます。

彼女を誘いに行くのだと分かっても、あまりワクワクしないのがおかしい。どこかでうまくいかないに決まっていると思っている私。でも、違うところでクスと笑った。

大学に下見に出掛け臨時講師と間違われて 「人間は嘘をつく」 と一席ぶつシーン。本物の教授が入室してくるとすまして部屋を出ていく・・・。
彼女の仕事の終わる時間に合わせて再び訪れた大学の階段でステップを踏む。
突然鳴り出す音楽。どこか、映画と現実の区別が付いていないようなホルヘ。

映画館が閉館するというシンプルな話だが、主人公は当たり前かもしれないけれど人間で映画館でない。ホルヘは 「映画館」 に 「さようなら」 は言えても、「映画」 に 「さようなら」 は言えないに決まっている・・・。
そんなことを考えながら電車に乗っていると、急に空が暗くなり激しい雨が降り出した。

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