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ドキュメンタリー映画 『五島のトラさん』 を見る!    [私の映画観]

長崎県五島列島に暮らす犬塚虎夫さん一家は7人の子だくさん。製麺と天然塩作りをして暮らしています。家族9人の22年間記録 『五島のトラさん』 の試写会に出掛けました。
映画の中で、2歳だった末っ子が24歳の教師に成長しています。

583  五島のトラさん.jpg

『五島のトラさん』 は 「テレビ長崎」 が長年撮影してきた素材を元に映画化した作品で、2015年FNSドキュメンタリー大賞グランプリを受賞している。

長い間撮り続け、その素材が残っていることがまず素晴らしい。26年密着した 『夢は牛のお医者さん』 は 「テレビ新潟」 の作品。地方のテレビ局の頑張りを感じると同時に、テレビでは伝えきれなかったものを伝えたいという製作者側の熱い思いを感じる。
デジタル化によって映像製作が簡便になり多くの作品が誕生するようになった現在に、長い間撮影を続けた末に誕生する作品があることは意味深いと思う。

長期の撮影は、撮影する側の、撮影対象に対する肯定感というか、好ましい人、良き者という思いがなければ成り立たない。そして、それは撮られる側にも同じ思いがなければ、22年間もの長きに渡って撮影することはできなかったに違いない。そういう意味では、両者が出会わなければ誕生しなかった作品と言える。

トラさんの愛称で呼ばれる犬塚虎夫さんは、五島の名物 「五島うどん」 を作っている。子供たちは早朝5時から起きて、それぞれの仕事を1時間ずつ順番に手伝う。なんと末っ子は3歳から手伝いを始める。ちゃんとタイムカードがあって、それぞれの労働に似合う時給が決まっていて支払い (小遣い) がある。

過疎化が進む島で7人の子供を育てるために、トラさんは天然塩も作り始める。使われなくなった漁師小屋を使い、海水を廃材と使用済みの廃油を集めて煮詰めていく。元手を掛けずに自然の恵みを頂く仕事。トラさんは子供たちに島の暮らしの良さを伝えたいと思っている。

高校の同級生だったご夫婦。トラさんの一目惚れだったそうだ。夫は妻に対して 「7人も子供を産んでくれたありがとう」 と言い、妻の益代さんは夫に 「子どもたちを育ててくれてありがとう」 と言う。仕事のことも本気で考えるが、子供たちと一所懸命遊び、愛情を注ぐトラさん。
子供たちは成長し、7人のうち4人が今は島に戻り暮らしている。

個人的には家族揃って8ミリを見るシーンが印象的だった。長男の拓郎さんが末っ子の世文 (せぶん) くんが転んで泣きながら立ち上がるシーンを撮っている。きっと、トラさんなら駆け寄って抱き起してしまい撮れなかったのではないかと勝手に想像し、にんまり! 
もう、すっかりトラさんのファンになっている。

試写会の帰り道、後ろから 「五島のトラさんって、本当にトラサンなんですねぇ~」 という男性の声が聞こえてきた。
そうか、(葛飾柴又の)寅さんに対して、五島のトラさんか! そうですよね。愛すべきトラさんでしたね! と見えぬ相手に心の中で呟いた。

「ポレポレ東中野」 で8月6日(土)よりロードショウ公開!

ポレポレ東中野のサイトはこちら ↓
http://www.mmjp.or.jp/pole2/
ドキュメンタリー映画 『五島のトラさん』 の公式サイトはこちら ↓
http://www.ktn.co.jp/torasan/

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