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ドキュメンタリー映画『ルンタ』の試写会へ    [私の映画観]

日本に居ると知ることができないチベットでの焼身抗議。
2015年3月3日現在で、141名の方が中国の圧政に対して自らに火を放ち抵抗を示しているという。『蟻の兵隊』 『延安の娘』 などを手掛けた池谷薫監督の最新作。

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ある方にお誘いを受けて試写会にご一緒するはずだったのですが、どうしても日程の調整が付かず、最終日の8日に一人で試写会へ。

インド北部の町ダラムサラは、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世が暮らす町。この町に30年間住み続ける、建築家でありNGOの代表でもある中原一博さん。
“ダライ・ラマの建築士” と呼ばれ、日本ではあまり報道されない “焼身抗議” をブログで発信し続けている中原さんを池谷監督が追うドキュメンタリー。

知らないことが多いと思い知らされ、「メイシネマ祭」 の時に貼られていたポスターの言葉が、しきりに思い出された。

かなしみを見た  くるしみを視た  よろこびを観た  知らなかったことを  知らぬふりをしていたことを  幾度も目にして揺れた

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この地図を見るとなんとチベット文化圏が広いか分かります。
右端に九州があるので、それと比較すると分かりやすい。

24年も監獄に入れられた老人が語ります。
「ひどい目にあっているのは中国のせいではなく、それぞれが積んだ業(カルマ)の結果だと考える。自分が苦しみを受ければ、他人が (その苦しみを) 受けることはない」と。
どんなに辛くとも耐えることができたと語る老人の目は、強い意志を感じさせ、奥は透き通っているように見えた。

10代後半の時、チベット本土でデモを行い、6年の刑を受け、その間電気ショックなどの拷問に耐え抜いたという尼僧は 「後悔したことはない」 と語り、「看守と互角に戦えた」 と誇らしげに微笑みを浮かべて語る。誇り高き美しい姿。

“焼身抗議” をした人たちは写真が並ぶだけで何も語らない。中原さんは一人一人の跡を追い、その背景を知りたいと思った。そして、自らが発信してきた “焼身抗議” した場所を尋ねるためチベットへ旅立つ。
「焼身が行われた場所をできるだけ多く見たい、そして、それは意味ある価値あること」 と語る。カメラはそれを追う。

焼身は他人を傷付けず民族同胞のために自らの命をささげる勇気ある行動だと、答える青年僧がいる。抗議の焼身であっても、自死することは罪深いことではないのか・・・・という疑問が、常に私に付きまとう。どんなに悲しむ人が多いことかと! 家族たちはそのことを語らない。語れないのかもしれない。
17歳で焼身した尼僧は詩を遺書として残している。その詩を読んだ中原さんは 「彼女にはダライ・ラマ法王が見えていたのではないか」 と語る。純粋無垢な彼女は高みにのぼり解脱していたのだろうか・・・。

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「ルンタ」 は 「風の馬」 という意味。
天を翔け、人々の願いを仏神のもとに届けると信じられている。

7月18日~ 「シアター・イメージフォーラム」 で上映が始まります。
その後、神奈川、岩手、新潟、長野、金沢、静岡、愛知、、京都、大阪、兵庫、広島、沖縄と公開が続きます。
上映の詳細は 『ルンタ』 の公式サイトで ↓
http://lung-ta.net/

今日はいつものヨーガの日。
体調を崩してお休みしている人や用事があってお休みの人もいて、7人でのヨーガになりました。今日は橋のポーズや逆転のポーズなど足を上げるアーサナを中心に行ってみました。
毎週行うアーサナと、毎週変えるアーサナを組み合わせています。

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シルフ

良さそうな映画ですね。機会があれば見ることにします。
by シルフ (2015-06-10 21:07) 

森田惠子

シルフさん>大阪は七芸で8月下旬に上映予定です!
中原さん、ステキな方です。
宮沢賢治は「ほほ~!」なんて大きな声を出しながら飛び上がったりしたらしいですが、その流れが・・・。
観てのお楽しみ!

by 森田惠子 (2015-06-10 21:21) 

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