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ドキュメンタリー映画『いのちを楽しむ』を見る   [私の映画観]

近親者にがんが多いので、私も死ぬ時はがんかなぁ~と漠然と思っています。
末期がん患者の在宅生活を支えている訪問看護ステーションに勤務している友人に、その話をしたら、「がんは急には死なないからいいよ」という返事が返ってきました。確かに!

140  いのちを楽しむ.jpg

ドキュメンタリー映画『いのちを楽しむ』は、余命1年と宣告されたがん患者・渡辺容子さんの最期の2年間を記録したものです。参考になれば・・・と試写会に出かけました。

渡辺容子さんの主治医は、「患者よ、がんとたたかうな」等の著者として有名な近藤誠医師。今更説明するまでもないけれど、患者の生活の質を大切に、手術や副作用の強い薬を使わない治療で有名な方です。なので、容子さんも40歳で5ミリの乳がんが見つかった時は手術をせず、経過観察することを選択しています。

最初の段階では、現在のがん治療に一石を投じる作品を企画されたようですが、撮影を開始すると、容子さんの魅力にやられてしまった感じだったのでしょう。がん治療云々よりも、ひとりの人としての生き方を伝える作品になっていました。

「若い時から好きなことを好きなようにしてきたから、私は幸せよ」と、余命1年の宣告を受けた後も、笑顔で語る容子さん。そして、ホルモン剤の効果で体調が上向くと、命あるものとしてできることはしなければ・・・と、杖をついて原発反対の集会に出かけていきます。

在宅生活を支えたのは、在宅医の網野晧之医師と妹さん、そして友人たちが組織した介護グループでした。常に、治療の主役、主導権を持っていたのは容子さん。最後に、容子さんは緩和ケア病棟に入院され58歳で亡くなられます。

試写会に向かう電車の中で、黒尽くめの女性がハンバーガーを持って入ってきて、私の目の前で食べ始めて、びっくり! 電車の中にチーズバーガーの匂いが広がって、うんざり! よく見るとふんわりした黒いパンツの中の脚がすごく細い。ハンバーガーを持つ指もとても細い。全身を見えないように隠している・・・。
隣の席が空いて彼女が座ったら、なんと持っていた大きな紙袋の中は山のようなスナック菓子でした。過食症なのでしょう。家で一人食べ吐きをしている段階ではなく、電車の中でも食べている? スラリと背の高い、瞳の大きな女性で、30代かなという感じでした。誰も相談する人がいなくて、一人ぼっちのような気がしました。

試写会の帰り道、彼女に『いのちを楽しむ』を見るチャンスがあればいいのに・・・と思いました。

『いのちを楽しむ」の公式サイトはこちら http://www.inochiyoko.com/
劇場公開は、6月1日~ 渋谷イメージフォーラムにて

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key

昔、亡くなった友達は、10万分の1に賭けてチャレンジしたのかな?

それとも、自分の人生の終わりを受けて、自分で決めたのかな?
by key (2013-04-19 05:57) 

森田惠子

Keyさん>ご友人ということはお若かったのでしょうね。
いざとなると、自分の治療なのに、先生頼りになり、周りの意見が気になり・・・。なかなか、治療の主導権をご本人自身が握るのは難しいことなのだなぁ~と思いました。
容子さんに学ばなくちゃ!
by 森田惠子 (2013-04-19 09:37) 

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