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「内子座」と「旭館」   [製作日誌]

29日の3時過ぎに内子町に到着! 早速、「内子座」と映画館「旭館」へ。
愛媛県内子町と聞けば、あの歌舞伎劇場「内子座」を思い浮かべる方が多いと思います。私もその一人。観光名所として、多くの人が訪れる場所です。

656 内子座.jpg

中に入ると、思わず感動の声を上げてしまいました。手は入れられていると思いますが、見事に昔のままが再現されています。
上演の時、今は二つの桟敷席を一つにして6人で座ってもらうそうですが、昔は一つの桟敷席に4人座ったそうで、昔の人は小柄だったのですね。

大正5年(1916年)に大正天皇即位を祝って、町の有志が建てたもの。木蝋や生糸の生産でゆとりのある時代の、芸術や芸能を愛してやまなかった人々の思いが込められています。

655 内子座.jpg

屋根の一番上に写っているのが、太鼓を叩いて客を呼んだという場所。
1階に実物の太鼓も展示されていました。1,5キロくらい離れている「内子座」と「旭館」は、こっちへこい! こっちへこい! と競い合って、お互いに太鼓を叩き、お客さんを呼んでいたそうです。

同じように屋根の上に“呼び太鼓”を叩く場所がある映画館「旭館」は、今は廃墟のようになっています。お醤油屋さんの持ち物で、一時期はお醤油を保存するために使われていたこともあるそうで、室内には大きな樽が無造作に置かれていました。

657 旭館.jpg

「旭館」の映写室跡です。
片や、修復保存され観光客がひっきりなしに訪れているのに、片方はひっそりと息を止めています。
持ち主のMさんは、子供の頃から「旭館」で映画を見たそうで、2階の映写室の横に弁士さんや楽団の場所があって、「映画を見るより弁士や楽団を見たくて、首をねじって後ろばかり見ていました」と懐かしそうに話してくださいました。

「旭館」のある場所は古い町並みが保存されている通りから、ほんの少し入った場所にあり、しかも昔の映画館の雰囲気を残したまま、外景は残っています。
「スペース的にも上映会などのイベントをするのに素晴らしい場所」と、案内をしてくださった「えひめ映画センター」の三好さんはおっしゃっていました。

たしかに雰囲気のある建物です。でも、屋根の痛みが進んでいて、このままでは建物自体がダメになってしまうところまで追い詰められています。修復には膨大なお金が掛かると思いますが、なんとか蘇って、再び映画の灯りが点ってほしいと思いました。

ロケ先から送った荷物が届いて洗濯。寒くなってきたのでタオルケットも洗濯。扇風機2台を分解して掃除。エアコンも掃除しました。それらで少し気分転換! 
明日は急ぎの編集の素材が届く予定だし、植物を部屋の中へ移動しなければならないし・・・など等、やらなければならないことが山積みです[ふらふら] どう考えても許容量をオーバーしています[もうやだ~(悲しい顔)]

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内子町住まいの三増巳也

はじめまして、森田様。私は2003年に東京から内子町へ移り住んでコマの曲芸師をしております。こちらの旭館の記事を拝読、お知らせしたくてコメント残させていただきました。「旭館」修復費用、文化財指定の賛同者を募る意味もありますが、2013.6.2に一日だけの映画上映会を13時と17時に開催します。主催 森文「旭館」保存会 映画は「赤穂浪士」1961年松田定次監督作品。ご指摘の通り、建物自体の修復をしなければ、「旭館」は無くなってしまいます。せっかく古い町並み保存地区があったり、内子座を頑張って運営して行こうという心意気があるのですから、これをぜひ全国へ広げて賛同する方を増やしていかないと、「過疎化が急速に進む内子町」だけでは手に負えないのです!実際、小学校がまた1ヶ所廃校になり、私の息子達が通う地域の学校も、農産物を豊富に生産しながらも、町の予算縮減・農家の振興を優先しなければ地域の耕作人口が減り、若い人が地元に残らない悪循環になりつつあり、とうとう地域の3学校給食が「給食センター化」されることが決定しました。あちこちに影響が出始めていて、このままだと行政・住民が商・農でも対立、高齢者世帯・子育て家庭でも対立、職業差別や地域差別にどんどんつながってしまうと考えています。「よそ者視点」がある私のような存在が動いていかないと、地域の本当の意見も見えなかったり、これから観光に頼って町を活性化する希望そのものも、深い霧が見え隠れしているので、今しないといけない状態です。どうぞ、興味を持っていただくだけでありがたいので、どこかで、どなたかに、話題として取り上げていただければ幸いです。お忙しい中、御覧くださいまして本当に有難うございました。 敬具 三増巳也
by 内子町住まいの三増巳也 (2013-05-08 15:12) 

森田惠子

三増巳也さん>コメントをありがとうございます!
2013年6月2日に、35ミリのフィルム上映画があること、お知らせをいただいています。

内子町はとても魅力的な町でした。
「旭館」も、是非是非、復活してほしいと願っています。
現在編集中の『旅する映写機』に「内子座」も「旭館」も登場します。
1月になんとか屋根の修復をされたとお聞きしています。これから本格的に修理をする方向に進んでいること、応援します。
例えば、瓦1枚いくらとかいう支援を呼びかけてもよいと思います。瓦に名前を書くとか、見えなくてもなんだか嬉しいと思います。
地元の人たちだけで何とかするのではなく、多くの人を巻き込んだら良いと、私は思っています。

by 森田惠子 (2013-05-08 20:18) 

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