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本「弟を殺した彼と、僕。」   [私の本棚]

大阪ミナミで痛ましい事件が起こりました。容疑者は「人を殺してしまえば死刑になると思って刺した」と供述しているという。お二人の方が亡くなられた。以前にも、死にたいと思ったけれど死にきれず、人を殺せば死刑になると思った・・・という事件は起きている。

死刑は犯罪の抑止力になるという意見があるけれど、死刑になりたいと無差別殺人を起こす人が居ることも事実です。

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「弟を殺した彼と、僕。」(原田正治著・2004年・ポプラ社刊)。この本は、「半田保険金殺人事件」で弟を殺された原田正治さんが書かれたノンフィクション。原田さんのインタビュー作品「生きてこそ 償える 癒される」に関わったことがあって読みました。

弟が勤務していた会社の社長が、なんと、保険金目的で弟を殺したというのだから、真相を知った時の原田さんの驚きは想像もできない。
何度も何度も、獄中から送られてきた手紙は、全部、目も通さず捨てていたという原田さん。でも、ある日、封を開け手紙を読んで、文句の一つでも言ってやろうと、拘置所へ面会に出かけるのですが、緊張のあまりロクにことばを発することができない。逆に彼の方は笑顔を浮かべて面会に来てくれたことを喜んでいる・・・。

裁判員制度も始まりました。人が人を裁くこと、冤罪、死刑、犯罪被害者家族の権利、そして、犯罪者と呼ばれる人にも家族が居ること。弟を殺されたことで、大きく変化した原田さんの人生。読み終えると大きなため息が出るかもしれないけれど、人にとって救いとは何か、償いとは何か、考えるチャンスになると思います。

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